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鳩の初生雛の育て方

☆卵から孵化したばかりの鳩ヒナを人工給餌で育てる方法を書きます。
         
 ※ちなみに筆毛が開きかける日齢まで親に育てられたヒナを育てる場合は
         『鳩ヒナの人工給餌1』←を参考にしてください。


前置きさせてもらいますが
私はこの記事を「鳩の卵を人工孵化する」ことのために書いていません。

卵を助ける、という言い方をするならば美しいことのように受け取れもしますが
しかし、何事かあって親鳩が抱くことができなくなった卵は本来孵らないはずの卵です。
その卵を人工的に人の手で孵化させることを安易な考えでやるのは嫌いです。
卵は安易に「助ける」ものではないというのが私の考えです。

ただし親が育てられなかったヒナを保護するのは仕方ない、と思います。
ですから何らかの理由で孵化直後のヒナを育てる場合としてこれを書いています。

日本では「鳩のヒナは羽毛が開きはじめた状態まで親鳥に育てられたものでないと
人の手では育てる事はできない」とずっと言われていました。
じっさい、日本のサイトには「初生雛からの育雛法」みたいなのは
今までは(2010現在)見つけられなかったです。
他の鳥とは違う鳩独特の問題があるということでしょう。


では、「鳩の初生雛からの育て方」

International Dove Society(アメリカのサイト)に参考となる記述あり。
      ↑クリックすると別窓で開きます(以下、いろんなとこ同様です)

上記のサイトのどこかに
Handfeeding Help by Helen in Englandというページがあります。

とても素晴らしい文献で、まったくこの記述通りにやればいいのです!
が、簡潔にまとめられているので誤解したり
余計なことを良かれと思って足してしまいます。
私はそんなこんなで大失敗もしたので、その経験も踏まえてあとで補記します。
まず上記のページをそのまま意訳します
(補記したいポイントに赤で番号をふっておきます)
        ↓
        ↓
<Wild-Life-LineにおいてのHelenさんの記述>

私はイギリス在住、鳩の孵化初日からの人工育雛には数年の経験をもっています。
(いま現在も6羽のヒナを育雛中です)
初めての人には難しいことなのですが、数回経験すれば容易にできるでしょう。
(1)カリフォルニアの友人は人工育雛のために“エグザクト”を使用して
成果を上げています。しかしイギリスでそれが手に入らないため、
私は家禽用飼料を湯に30分間浸したものを使います。
(2)浸す湯の温度は食物の酵素が破壊されてしまうほどの熱湯であってはいけません。
ふやかした家禽用飼料をミキサーにかけてドロドロにし、最終的には“ふるい”で漉して
(3)チューブ(シリンジ)を通せるほどに粒子の細かいなめらかな乳状にします。
私はシリンジの先にチューブを付けてヒナに給餌をします。
(4)チューブの先端がまっすぐソノウ内部まで挿入できる長さのものを、ヒナの日齢にあわせて異なったサイズで用意しています。
(5)孵化してから最初の一週間、ヒナがかなり小さい間は、私はチューブに流動パラフィンを塗ります。
アメリカでは流動パラフィンが知られてないようですが
人間および動物の両方に便秘の治療に頻繁に使用されるものです。
たぶん類似したものがあるはずです。
挿餌の濃度はヒナの日齢とともに変わります。
(6)幼いヒナほど脱水しやすいため柔らかすぎるほど液状化した餌でないといけません。
私は経験によって、鳩の初生雛が最初にソノウ内に入れることが必要なのは
プロバイオティックと水分である
とわかりました。
これによってヒナの消化器系が自然な善玉菌の叢をつくり
正常に働くための準備をさせます。
これをしないとヒナは死にます。
プロバイオティックは獣医師から入手できますが
ナチュラルヨーグルトでも代用できます。
(7)初生雛への最初の給餌は1mlのナチュラルヨーグルト、
またはプロバイオティックです。
その後は前記した液状餌を1mlずつ、最初の24時間は夜通しで
2時間おきに給餌が必要です。
それを怠れば小さなヒナは急速に弱ります。
2日目には2mlずつ与えられるようになり、3日目で生育良好なら
5mlずつ与えていいです。
孵化後一週間たてば15mlずつを6時間おきでよくなるでしょう。
その頃になればあなたも夜、寝させてもらえます。
(8)2週間目に入って生育良好なら、
私のヒナの場合40mlずつを8時間おきとなります。
しかし決して1回の挿餌で40ml以上を与えてはいけません。
私のところではヒナ自ら餌をついばみ始めるのは早くて20日齢から、
しかし4週目までには確実にみな自分で食べ始めます。

【注意事項】
(9)生後2週齢までは、シリンジの先に長いチューブをつけて
給餌することを試みてください。
給餌のときヒナはたいてい餌を早く欲しがって、ソノウ内にチューブが挿入
されている状態にもかかわらず飛び上がってきますから注意が必要です。
チューブはソフトですが、先端がソノウを突き破ったり傷つけたりしないように。
また、チューブが抜けて餌が気管内に入ってしまったり、危険ですから注意します。
それらの事に気づかないと、あなたの手の上でヒナはまもなく死ぬことになります。
毎日の体重を記録して、問題点をチェックできるようにしてください。
生後1週目のあいだは特にですが、
挿餌期間中は道具はすべて蒸気の滅菌装置など使用して
また餌は冷蔵庫に入れて、細菌がヒナへ侵入するのを防ぐようにしてください。
(10)抗生物質製剤を用意しておくことを奨めます。
アモキシシリンは最も良いです。
バイトリルはカルシウムの吸収を妨げるので骨の成長に支障をきたすため
ヒナにおいては絶対の緊急時のみ使用されるべきです。
様子がおかしい、と感じたならその最初のサインで抗生物質を与えてください。
人が思っているほど鳩のヒナは丈夫ではないので最初のサインを見過ごしてしまえば
助けられるチャンスを逃します。
一回の投与量は一般的に体重100グラムにつき0.1mlです。1日2回5日間与えます。
5日目に最後の投与をしてから48時間後に、プロバイオティックを与えます。
抗生物質投与により細菌と一緒に殺菌されてしまった腸内の善玉菌を取り戻すためです。
これは重要なことです。抗生物質によって腸内細菌叢が“クリーン”なってしまった状態は
抵抗力がなく新たな悪い菌に対抗できず再度取り込む心配があるからです。
あなたが彼らのために上手くやってくれることを願います。
これらのこと(初生雛の育雛)は、何度か経験すれば容易にできることです。

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【補記  by やーと。】←私の経験(失敗を含む)によるものです。
(1)この“エグザクト”というのはケイティ社のヒナ用パウダーフードのことです。
 同サイト内にこのようなページもあります。
 ヘレンさんのいう家禽用飼料とはたぶんヒヨコ用だと思うのですが、パウダーフードが
 楽に手に入るのでそちらのほうが良いと思います。
 でも私はケイティエグザクトをそのまま使ってヒナを食滞にする失敗をしたので、
 パウダーフードの選択はとにかく!粒子の細かさです!
 スドーのパウダーフードなら一番手軽にホームセンターで買えます。
 他には、ラウディブッシュ社のフォーミュラが粒子が細かくて良いと思います。
(2)パウダーフードを溶く際でも熱湯は栄養素が破壊されることのほかに、
 ダマになりやすいのでいけません。ぬるい湯で溶いて湯煎して適温まで温めます。
 ヒナには絶対に冷えた餌を与えてはだめです。食滞の引き金になるし内臓が弱ります。
(3)他の海外サイトでは“素晴らしく滑らかなリキッド状の”という表現がされています。
 私の経験からも同感です!セキセイでもオカメでもキンカの初生雛でさえケイティ社の
 粗めの粉フードでも問題なく育ちますが、そういう他の鳥での常識は捨てるべきです。
 他の鳥と同じ常識で育てられるものなら「鳩ヒナは10日齢以上まで育ってからでないと
 人の手で育てることはできない」などと言われていないはずです。
 そして日本人はなぜかパウダーフードに粟玉を混ぜたがりますが、
 幼い鳩ヒナには絶対にそれをやっては駄目です。
 自ら一人餌になるまで絶対に粒のものをやっては駄目です。
 粒子の細かい滑らかに溶いたものだけを与え続けます。
(濃度は日齢によります。)
 親鳩が育てる場合はこんな餌も与えているはず、などと考えて余計なものを足すのも
 駄目です。親鳩ではなく人間が育てるんです。最初っから全然違うんです。
 (これは孵化直後または孵化数日目から鳩を人工育雛する場合
 に関してのみ述べています。
 インコなどには当てはまらないし、
 ある程度まで親が育てた鳩ヒナにも当てはまりません。

 そこを誤解なきよう!!念のため)
(4)チューブでソノウまで入れるのは、誤嚥を防いで確実にするためでしょう。
 でも私は初生雛のときからずっと口の奥にニードルで流し入れているだけです。
 ヒナが元気ならグビグビと飲んでくれて私の場合はそれで上手くいっています。
 シリンジの先に付けるチューブについてはこのページの一番上の写真を参照のこと。
(5)流動パラフィンというのは純度の高い白色ワセリンが液状になったものと思ってください。
 ようするにチューブの滑りを良くしないと小さいヒナの食道に負担がかかるからです。
 ソノウまで挿入しないならば必要ありません。
(6)初生雛に与えるのはパウダーフードを薄く溶いたものです。ドロっとしてては駄目です。
 でもスドーのフードはあまりドロっとせず粘度が出ずに具合良かったですよ。
(7)プロバイオティックは乳酸菌のことです。商品名「プロボティック」があります。
 また鳥類由来の乳酸菌サプリ「バードベネバック」は非常に良くお奨めです。
 私は明治ブルガリアヨーグルトを使いましたけどね。勿論それで上手く行きました。
 でも乳酸菌サプリは用意しておくべきです。初回だけに限らず、挿餌にほんの少しずつ
 たまに混ぜるのも良いです。
(8)何日目で何mlとか書いてありますが、あまり気にしなくていいと思います。
 だいたいここに書かれているように早くは大きくなりません。
 別の海外サイトには「初生雛からの人工育雛では成長は心配になるほど遅い」と
 書かれていましたし、私も本当にその通りと思います。
 でも少しずつでも確実に日々成長しているなら大丈夫です。
 ヒナが大きくなっても1回の挿餌で40ml以上を決して与えてはいけないとありますが
 私は30ml以上をどんな鳩にも与えたことはないです。
 ヒナはいくらでも欲しがって鳴きますが、こわくてそんなパンパンに入れられません。
 40ml以上入れたら何故いけないか書いてませんが、ソノウが過拡張してしまうとか
 吐き戻して誤嚥するなどでしょうか。とにかく無理はさせないに越したことないです。
 そして、ヒナの羽毛が全部開いて羽ばたき練習しはじめる頃に撒き餌をして自分で餌を
 ついばむことを教えていくのですが、撒くのはキビ・アワなどの小粒餌です。
 指で突ついて親鳥のかわりに教えます。他の大人の鳩を一緒に飼っていれば
 その子に教師役をさせると一人餌になるのが早いのですが。
(9)鳩ヒナはすごくがっついてくるので何の器具で与えるにしても注意してください。
 それと、消毒をしっかりやることに加えて、溶いたパウダーフードの余りは捨てて、
 挿餌のたびに新たに溶いて作って与えます。
(10)これについては、日本では抗生物質は医師の処方箋がないと買えませんので
  用意もしておけないです。何か悪いサインがあったら獣医さんに走るしかないです。

ダメ押し
 ☆他のもっと小さい鳥でもこの餌で大丈夫なんだから、とか他の鳥の常識は捨てる!
 ☆親鳩がある程度まで育てたヒナを育てる場合はどんな餌でもたいてい育ちますが
  孵化直後から育てるヒナは一人餌になるまでパウダーフード(粒子の細かいもの)
  のみしか与えてはいけない!(余計なものを混ぜると一気に食滞します)
 ☆温度管理については、孵化したときの温度37.8℃を上限として、孵化5日目までは
  そのままでいいくらい。下げるにしてもゆっくり日数をかけてじょじょに。
  ヒナは暑かったら翼を開いてだらっとします。
  そうでないなら下げようとしなくていい。
  温度が低いと消化が遅くなります。


2010.06.23
  ※この記事はのちのちまで、気づいたことがあれば書き換えをしていきます。


  

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