新しいページ | PAGE-SELECT | 過去のページ

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

ホオミドリの遺伝1

                    <2>へ進む <3> <4>
GREENCHEEKED MUTATIONS IN DEPTH
ホオミドリアカオウロコインコのカラーミューテーション解説
                 【前置き】できればこれもお読みください

ミューテーション(色変異)のブリーディングには非常に関心が寄せられています。
なかでも美しい変異品種で人気の高いホオミドリアカオウロコインコの
基本となる3種の変異(イエローサイド、シナモン、ブルー)について
その遺伝形態をペアリングの実例によって説明したいと思います。

      ホオミドリ(左:パイナップル 中:ノーマル 右:イエローサイド)  
 Picture from Farm K.T.S (左からパイナップル.ノーマル.イエローサイド)

変異の特徴がどのように鳥に色をもたらし、そしてそれがどのように遺伝するか。
それに加えて、一般にパイナップルと呼ばれるその色を作出するために、
イエローサイドとシナモンという2変異をどのようにして結合させるかを説明します。

上手くいけばこれは遺伝学の基本を解りやすく説明するのに役立つと思います。

。゜・。・o゜・。゜・。・o゜・。゜・。・o。゜・。・o゜・。゜・。・o゜・。゜・。・o

では遺伝学の基本と、伴性遺伝変異(sex-linked mutation)の説明からしていきます。
ここで説明する伴性遺伝の変異は、イエローサイドとシナモンとパイナップルです。

まずミューテーションを論じる前に、それを理解する基本が正しく確立しているかどうか確認の意味で遺伝の定義から説明します。
遺伝の基礎を正しく踏まえていないと後ほど私が行う説明が充分に理解されないため確認が必要だと思います。


CHROMOSOME COMPOSITION
染色体の構成

鳥類においてはメスが実際に子供の性別を決定します。
メスの性染色体は、X染色体とY染色体で構成されています。
メスが体内で卵を形成していく過程でXかYかどちらの染色体を投入するかによって卵(子供)の性別が決定されるやり方です。

オスの性染色体は、2本のX染色体で構成されています。
彼らが投入するものがどちらにしてもX染色体であるので、オスは子供の性別に対して影響を及ぼしません。

メス親からY染色体を受け取った卵がメスとなるのです。

メスがYX、オスがXX、と表されます。
(よく知られていることですが人間とは逆です。人間はメスがXX、オスがYXです。)


SEX LINKED MUTATIONS
性染色体に載って運ばれる=伴性遺伝の変異

伴性遺伝の変異遺伝子は、それを運ぶための大きさを持った唯一の染色体である染色体に載って運ばれます。
染色体は、X染色体で運ばれる変異遺伝子に対立するワイルドタイプ(野生型)遺伝子を運ぶには小さすぎます。

メスがYXであるということは、変異遺伝子1つを持てば表現型として出現できるということを意味しています。
オス(XX)が表現型になるためには2本持っているX染色体の両方ともに同じ変異遺伝子が載ることが必要となります。
オスが1本のX染色体にだけ変異遺伝子を載せているとき、彼がその変異の『色』を外見に現すことはなく、遺伝子を隠し持った状態であるといえます。
そしてそのような状態をスプリットといいます。
メスは変異遺伝子を1つ持てばそのまま発現してしまうので、伴性遺伝の変異についてメス鳥がスプリットとなることは有り得ません。

。゜・。・o゜・。゜・。・o゜・。゜・。・o。゜・。・o゜・。゜・。・o゜・。゜・。・o

CINNAMON MUTATION
シナモン変異

       ホオミドリ(シナモン)
             DJ Feathers Aviaries シナモン

シナモン変異の遺伝形態は 伴性遺伝sex-linked です。
その遺伝子の基本的な働きは羽毛上の黒色素(ユーメラニン)の発色を妨げることです。
それゆえにシナモン鳥には、黒や灰色の少しの色陰さえ見られません。
黒~灰色だった部分は茶~ベージュに置き換わります。印象として淡くなったように感じます。
ですが実際にはユーメラニン以外の羽毛上のどの色素も薄められてはいません。

他の鳥種でもそうですが、ホオミドリのシナモンもまた幼鳥時には「ブドウ目」といわれる赤っぽい目をしており歳をとるにつれてダークになっていきます。
なので彼らは容易にこの目の色によって若鳥と成鳥が見分けられます。


YELLOW-SIDED MUTATION
イエローサイド変異

        ホオミドリ (イエローサイド)
     Picture from Farm K.T.S イエローサイド

日本では「ワキコガネ」と呼ばれるイエローサイド変異は、充分に解明されている訳ではないが実際にはオパーリン変異のことだとされています。
イエローサイド変異はオパーリン変異の基準にほぼ合致するサインを示しています。

オパーリン変異の基準とは、

◎第一に、遺伝形態として伴性遺伝 sex-linked であること。
◎第二に色素配置を変えるには違いないけれども、実際にその種属にすでにある以外のどんな新しい色素も引き起こしはしないこと。
◎第三に翼の裏側の色が翼の表面に発現する。
これは腹側の色が背翼面に出るセキセイインコやアキクサインコのオパーリンを思い出せば理解できますが、ブラックキャップコニュアとホオミドリアカオウロコのイエローサイドにはその特徴が見られません。
翼の表面はノーマルの状態と同じくグリーンのままです。
にもかかわらず彼らはこの変異(オパーリン)に属すると考えられています。
◎最後に、綿毛(ダウン)の色が元々灰色である種では、灰色色素が失われるゆえに綿毛は白になります。
しかし黄色の色素は綿毛から失われていません。

これらをもってオパーリン変異の特徴が、黄色グループの色素の広がりを高めつつ灰色色素を減少させるものであることが確認できます。
オパーリンでは、黄色グループの色素のバリエーションである赤・オレンジ・ピンクのような色を広げ強調されることが他の鳥種においてすでによく確認されています。
元々無い色素を作り出したりはしないが、元の色素の増強だけがなされている感じです。
黄色と赤とピンクがなぜイエローサイドにおいて非常に強調されているのかがこれで説明できます。

。゜・。・o゜・。゜・。・o゜・。゜・。・o。゜・。・o゜・。゜・。・o゜・。゜・。・o

基本原則の一部はカバーできたと思うので、これから遺伝学の部分に入り始めたいと思います。
それぞれの繁殖結果を示すために染色体のペアリングチャートを使います。

シナモン変異とイエローサイド変異はともに伴性遺伝 sex-linked であるため、最初は両方のサンプルを示しますがいつも両方示すとは限らず、置き換えて考える練習もしてもらいます。

上記にメスはX染色体とY染色体を持つと書いたことを思い出してください。
それゆえにメスはYXと表され、オスには2つのX染色体がありXXと表されます。
また、X染色体が伴性遺伝変異を運ぶためのかなり大きい唯一の遺伝子であることも憶えておいて下さい。

これから例を示すにあたり、必要となる決まり事があります。

X染色体に載っている変異をXの横に小文字で書いて示していきます。
たとえば 「YXcin 」は シナモンのメス。「YXys」ならイエローサイドのメスです。

もうひとつ試してみましょう「XcinXcin 」とは何だと思いますか?
それはフルなビジュアルのシナモン(表現型シナモン)のオスです。

それでは「XXys」は? それはノーマル表現のイエローサイドスプリット♂ですね。

さらに「XcinXys」では? それはノーマル表現の*ダブルスプリット♂です。
 ( *シナモンとイエローサイド、両方のスプリットを持っている)

前にも述べましたが、オスが表現型になるためには2本持っているX染色体の両方ともに同じ変異遺伝子が載ることが必要となります。


伴性遺伝sex-linked について次の2つの非常に重要なルールを常に心にとめておいて下さい。

第一に、もしメスがシナモン遺伝子を持っているならば、彼女は必ず完全な外観の表現型シナモンである
第2に、オスだけが伴性遺伝変異のスプリットを持つことができる。
これはまた、彼がシナモン遺伝子を所持していてもそれを外観に表さないことがあるのを意味する。


CHROMOSOME CHARTS
染色体チャート

まず何も変異遺伝子を持たない「ノーマル」のペアによる交配チャートから始めましょう。

上に並べて書かれたのがメス親が仔に伝える染色体。
左側に縦に書かれたのがオス親が仔に伝える染色体です。

仔は、オス親とメス親から1つずつの染色体を渡されて生まれてくるのですから
縦と横が交差するところ(色のついた部分)が仔の染色体構成ということです。
            
        図1
この交配図が示すことは、理論的には得られる仔の50%がオスで、50%がメスであることです。

あくまで理論的にはであって、現実にその確率どおりの産み分けは実行不可能です。
現実には1ペアから得られる仔の数が多くないため確率は狂いますが、有り得ないとはいえ100羽も産ませることができるものならば、ほぼ理論上の確率どおりの結果になるでしょう。

どこかで40%のオスと60%のメスとなっていても、自分のところでは60%のオスと40%のメスといったぐあいに正反対の結果が出ることもあるでしょう。
それはちょうどコインをはじいて「表か裏か」というようなものです。


図1では、子供の性別を解りやすく色で示しました。
XXがオス→これをブルーで。YXがメス→これをピンクで強調しました。
これから伴性遺伝変異について説明するにあたって理解しやすくなると思います。

同じような図で、表現型シナモンや表現型イエローサイドの交配結果も表すことができます。
ここにその2つの例をあげてみます。

X染色体だけが変異遺伝子を運ぶことを憶えていますね?
そして鳥がある変異の表現型として生まれるためには、全てのX染色体にその変異遺伝子を載せていなければならないことも。

図2 図3
 
図2、図3は基本的に同じものです。

仔は50%のオスと50%のメスに分割されます。
そして彼らの全ては変異(シナモンあるいはイエローサイド)の表現型です。
両親ともが同じ変異の表現型であるならば、仔は必ず両親と同じ表現型となります。

図2では両親ともにシナモンの場合に仔がすべてオスメスともにシナモンとなる結果を示していますが、図3はそれをイエローサイドに置き換えただけなので結果も同じとなっています。


SPLITS
スプリット

伴性遺伝の変異では、オスだけが変異遺伝子を隠し持つことができます。
つまりその変異のスプリットとなることができます。
オスの鳥が表現型となるためには2本あるX(性染色体)の両方ともに同じ変異遺伝子を揃えなくてはならないことを憶えていますね?

もしX染色体のどちらか1本にだけ変異遺伝子があるならば、それがいわゆるスプリットです。
このようなとき「彼はシナモンのスプリットである」あるいは「イエローサイドのスプリットを持っている」などと言われます。
変異遺伝子が片方のX染色体にだけしかないので、そのオス鳥はその変異遺伝子が及ぼす特徴を全く出さないか非常に僅かに徴候を示す程度で、実際はノーマルの外観を表します。

つぎにスプリットを使ってどのようにブリーディングをしていくか、またそれにまつわる問題点などを提示するいくつかの図を示します。
私はこれらの図でイエローサイドだけを例として使いますが、シナモンでも結果は同じです。
図の中のイエローサイドの部分をシナモンに置き換えればよいだけです。

図4 図5

図4ではノーマル♀に対して表現型イエローサイド♂を組ませました。
その結果、メス雛はすべて表現型イエローサイドとなり、すべてのオス雛は1本のX染色体にのみイエローサイド遺伝子を載せているだけのノーマルです。
つまり彼らはイエローサイドスプリットであるということです。

比較のためとして図5は、どちらの親が表現型であるかを逆転させてみただけです。
メス親が表現型イエローサイド、そしてオス親がノーマルである場合。
すると結果(生まれる仔)は全く違ってくるのです。
オス雛は全てイエロ−サイドのスプリットであることは変わらないが、全てのメス雛は完全なノーマルになるのです。

図4と図5、どちらの例でも結果は完全に予測でき、未知数の要素はありません。

他に2つの例を示します。そして結果を見てください。

図6 図7

図6ではノーマル♀に対してイエローサイドスプリット♂を組みました。
結果として生じる仔には問題があります。
メス雛についてはOKです。
図を見て判るように、25%のノーマル♀雛と、25%のイエローサイド♀雛が生まれます。
問題はオス雛のほうです。
25%のノーマル♂雛と、25%のイエローサイドスプリット♂雛が生まれます。
イエローサイド遺伝子を継いだメス雛は表現型として生まれるのに対して、オス雛はスプリットでしかない。そこが問題となるのです。
完全なノーマルも、イエローサイドスプリットを持ったノーマルも、見た目は同じです。
したがって25%ずつ生じる2者を判別することが出来ないのです。
判別する唯一の方法は、彼らが成長するのを待ってテスト繁殖をし、結果どんな仔が得られたかで判断するという無駄な方法しかないのです。

図7でも同じくイエローサイドスプリットのオス親を使いましたが、表現型イエローサイドのメスを組ませました。
結果は少し異なり、図6のペアリングのとき生じた問題が起こりません。

このペアリングからは、25%のノーマル♀雛、25%のイエローサイド♀雛、25%のイエローサイド♂雛、25%のノーマル(イエローサイドスプリット)♂雛が生まれます。
図6と図7の結果の主な相違は、スプリット♂を完全に選び出すことができる事実です。


DOUBLE SPLITS
ダブルスプリット

スプリットとはどういうものかが良く理解できたなら、次のタイプのスプリットについて結果を考えてみましょう。

オスの鳥が、2本あるX染色体のそれぞれに変異遺伝子を載せることが可能である以上、オス鳥が1つ以上の変異のスプリットになることが可能です。
ダブルスプリットという用語はふつう、オス鳥がシナモンとイエローサイドの両方のスプリットを持っていることを意味します。
後の方で、オスは実際にはダブルスプリットのみならずトリプルスプリットを持つ事ができると解るでしょう。
しかしここではシナモンとイエローサイドという基本的な2つの変異のダブルスプリットについてだけ述べます。
これがどのように可能か理解するために、いくつかの図を示します。

図8 図9

図8と図9は基本的に同じです。
それらは両方とも「ダブルスプリットのオス」を作る方法を示しています。
X染色体だけが変異遺伝子を運ぶことができることを思い出してください。
そしてオス雛は両親からそれぞれ1つずつ変異遺伝子を受け取るということを。
とにかくシナモンとイエローサイドをペアにすればよいということです。
どちらがオスであってもメスであっても関係ありません。
ただメス雛がどちらの変異の表現型として生まれてくるかを計算する点が重要なだけです。

図8では、シナモン♀にイエローサイド♂をペアリングしました。
各々の親から異なる変異遺伝子を1つずつX染色体に受け取り、全てのオス雛はダブルスプリットとなります。
全てのメス雛は表現型イエローサイドで生まれてきます。
メス雛は、イエローサイドである父親から受け取った変異遺伝子1つのみで発色するからです。

それらの結果を図9と比較してください。
この図ではイエローサイド♀と、シナモン♂をペアーリングしています。
こちらでも全てのオス雛はダブルスプリットとなります。
しかし図8と違ってここでの全てのメス雛は、表現型シナモンとなります。
ですからダブルスプリット♂を作出するためのペアリングを決める時、あなたが結果としてシナモンかイエローサイドかどちらのメス雛を期待するか、それが判断の唯一の要因となります。

ひとつ心に留めておくべきことは、ダブルスプリット♂について、あなたがブリーディングにて作出するにしても購入するにしても、 彼らの外観はノーマル鳥とそっくりだということです。
彼らは外見的にどちらの変異のどんな徴候も示していません。
ただのノーマルと見分けがつかないということです。
もし市場でこれを購入しようとするときには遺伝の法則を理解し正確に遺伝情報を管理している正直なブリーダーから購入しなければなりません。

。゜・。・o゜・。゜・。・o゜・。゜・。・o。゜・。・o゜・。゜・。・o゜・。゜・。・o

      <1>伴性遺伝 (sex-linked) についての基本的な説明
つづく → <2>伴性遺伝・遺伝子の交叉&連鎖した遺伝子がバラけるケースの説明
            以下ただいま作成中(2010.01.27)
      <3>常染色体に乗って運ばれる遺伝 (recessive) についての説明
      <4>

。゜・。・o゜・。゜・。・o゜・。゜・。・o。゜・。・o゜・。゜・。・o゜・。゜・。・o


参考文献:GREENCHEEKED MUTATIONS IN DEPTHhttp://www.conures.co.uk/より)

。゜・。・o゜・。゜・。・o゜・。゜・。・o。゜・。・o゜・。゜・。・o゜・。゜・。・o
関連記事

| インコ類 | 22:11 | comments(-) | trackbacks:0 | TOP↑

TRACKBACK URL

http://yartnotorinikki.blog25.fc2.com/tb.php/444-846a4998

TRACKBACK

新しいページ | PAGE-SELECT | 過去のページ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。